この思いを君に

「あのね、今日堀くんと帰ることになった。」

放課後、優くんにそう言った。

「堀に誘われた?」

「うん。断る理由が無かったし、一緒に帰ることになった。」

「気をつけて帰れよ。…じゃあな。」



優くんに、なにを期待したんだろ…私…




「愛香ー!堀くん呼んでるよ?」

「早紀<サキ>」

優くんの顔が見れなくて、早紀の方に駆け寄った。

「なーに?2人で帰るわけ?優くんはいいの?」

小声でそう言った早紀は真面目な表情だった。

「そんなんじゃないし…いーの!じゃあね。」






「堀くん!お待たせ。」

「じゃあ帰ろうか?」






優くんは…いいの。
どーせ、何も思わないんだから。

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