この思いを君に





こんなに心臓がばくばく鳴るのは
何年ぶりだろうか。

上目遣いで

一生懸命に『投げないよ』って…

『うん。』

って…

心臓が持たない。


俺は目を逸らして話題を探した。

とりあえず気を紛らわすため。

「なつって柔道とかしてたの?」

「うん、5歳から中3まで柔道を
習ってたの。あんまり得意じゃ
なかったんだけどね。」







それから俺は
なつを抱きしめたまま
2人で話をした。

心臓は相変わらず壊れそうだった
けど、心の中の何かは気持ちよく
転がっていた。





「ごめん、さっきの間違い!
俺、なつのこと…」




「大っ好きだ!」




*End*
< 42 / 68 >

この作品をシェア

pagetop