この思いを君に

当日、
めちゃくちゃ楽しんだ。

『楽しかった〜!何あの近さ!』
「新曲も聴けたし!やばい!
絶対CD買う!」
『3曲目のイントロのさぁ』
「ギターすんげぇ
かっこいいよな!」

駅までの道を歩いた。

松沢くんは駅の近くに
住んでいるらしい。

『じゃあまた!』

改札を通ろうとした時。

「待って」

腕を掴まれた。

『松沢くん?』

見上げると目があって、
松沢くんはにこっと笑った。

「今日楽しかった。
俺前から本田さんといっぱい
話したかったんだ。」

見つめられてる…

私は目が話せなかった。

「…じゃあまた。気をつけて。」

にこってまた微笑んで
手を放してくれた。

『うん、じゃあまた。』

改札を通って振り返ると
笑顔で手を振っている松沢くん。

爽やかだなー
私も手を振りかえした。


ドキ…ドキ…

いつもより鼓動が
大きく聞こえた。

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