生きてるアナタへ
私はすぐ、迷わずにネオの背中を追いかけていく。
……これ、ストーカーってやつだよね………。
「あ、いたっ」
校門を出て、どれくらい歩いただろうか。
目の前のネオは河原の近くを通りかかった途端、歩くスピードを緩めた。
ネオの視点は、河の流れて行く方向。
それに気づいて私もネオの視点に合わせる。
「……綺麗」
河は何の汚れもなく、何の悩みもないように、独りただ流れて行く。
私の足は止まってしまった。
さっきまで、必死に追いかけていたネオのことも忘れて。
それ程、美しくて。
まるで心まで洗っていくように。
「あ、………」
河原の草原を見た時、私は何かに心を支配された。
「いっけえ!」
ゴロゴロっ。
私は坂状になっている草原を、思いっきり転がり落ちた。
草は全体が同じ長さに切り揃えられ、いい香りがして…。
転がっている間は、気持ち良かった。
……転がっている間は。
「な、何コレ?!」
私は自分の体の状態に驚いた。
体中は草まみれになっていたから。
制服に草が沢山付いているのを見て、やる気はすっかり消失してしまった。