甘い魔法②―先生とあたしの恋―
静かに闘っているように見える横顔は、
俺を見ないのは、
強い意志を表す瞳は、
全部、俺との関係を守るため。
他の教師に接するよりも、俺にそっけない態度を取るのもそうだ。
他の教師とは普通に会話して笑顔を見せるのに、俺にだけ冷たく感じるほど淡白に接する。
それが関係を守るためだって分かっていても……。
まるで嫌ってるような市川の態度に、時々無性につらくなる。
その場で、市川を俺のモンだって示したくなる。
「それより、坂口先生。まだお手伝いする事ってありますか?」
市川が話題を変えると、瞬は唸ってからにこっと笑う。
「じゃあさ、ちょっと校舎の中案内してもらえる?」
自分の昂る感情を感じながらぼんやりと市川の横顔を眺めていたけど。
瞬の手伝いの内容が度を超えている気がして、思わず口を開く。