甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「折れてはいないと思いますが、一応病院に行った方がいいですよ」
病院、という言葉を聞いた馬場先生が慌てて首を振る。
「そこまでおおごとにしなくても」と言い出した馬場先生に、瞬は微笑んで続ける。
「こう触ると痛いでしょ? 捻挫で済めばいいんですが、もし問題があったら大変なので。
踏み外したのが2,3段なら問題ないと思いますが、結構高さがありますし。もちろん、馬場先生が必要ないっておっしゃるなら無理にはすすめませんが」
「あ、いえ……もう仕事も終わるので一応行っておきます」
馬場先生が立ち上がろうとすると、瞬がすぐに手を差し出して肩を貸す。
こうして瞬を見てると、本当にきちんと仕事をこなしていてそれに感心すると同時に、変なモノでもみたような奇妙さが混じる。
「タクシー呼びますけど……一人でいけますか? 付き添いが必要なようなら俺も……」
瞬がそこで言葉を止めたのは……恐らく、馬場先生の視線に気付いたから。
「付き添い」ってところで、俺を振り返った馬場先生の視線に。
案の定、次の瞬間、瞬はにこりと笑って俺を見た。