甘い魔法②―先生とあたしの恋―
面白くないに決まってるよな……。
やっぱり、市川は馬場先生の気持ちを知ってるんだ。
まだ馬場先生が諦めてないって。
知ってて、俺には何も聞かずに、気にしてない振りをしてたんだな。
でも、いつから知ってた……?
いつから、我慢してた?
俺の知らないところで、いつから……?
「あの、私、本当に……っ」
「―――申し訳ないんですが、俺、校長に呼び出されてまして、付き添いはちょっと……」
「え……」
明らかにトーンを落とした馬場先生に気付いて、困りながらも微笑んで見せる。
それから、瞬に視線を移した。
「瞬、悪いけど行ってもらえるか?」
「ああ、それは構わないけど。なんだよ、昌……校長。人使いが荒いよなー。
じゃ、俺タクシー呼んで……」