甘い魔法②―先生とあたしの恋―
守りたい
【実姫SIDE】
「金曜日、馬場先生階段から落ちたんだって? 矢野セン、そこに居合わせたらしいじゃん」
翌週の月曜日、諒子が聞いてきた。
金曜日の話なのに、月曜日の昼休みにはすでに広がっている噂話。
その速さに少し驚きながらも頷く。
『馬場先生は矢野センに気がある』っていう噂は生徒の間では相当行き渡ってるから、その2人が揃ってるとなると、噂の回りも速いのかもしれない。
「うん。っていうかあたしも居合わせたし」
「えっ、一緒にいたの?!」
校内で先生と一緒にいた事に驚いた諒子。
その慌てように、あたしはクスクス笑いながら首を振る。
「保健委員で頼まれごとがあったから、保健室に行ったら先生がいて。
坂口先生と仲がいいから、それで一緒にいたみたいだけど。
で、保健室出たところで、たまたま馬場先生が」
「落っこちてきたって事ね。
馬場先生、大丈夫なの? 今朝見かけたらまだ足引きずってたけど」