甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「うん。高遠先生が病院に付き添って、結局捻挫だって。

高遠先生から先生に電話がきてた」

「なんだ、捻挫か。それぐらいで済んだならよかったよね」


パンを頬張る諒子に頷きながら、あたしもクリームパンを一口食べる。

それを時間をかけて飲み込んでから、ため息を伴う言葉を口にした。


「馬場先生は、やっぱり先生が好きなんだね……」


そう漏らすと、諒子は少し周りを気にしながら聞き返す。


「なんで? 何かあったの?」

「誰かが付き添うって事になった時、先生を見てたから。

……坂口先生が気付くくらい、見てた」

「……あの先生さ、もっと気持ちを隠す事を学んだ方がいいよね。

しかも振られてるようなもんなのに。

……で、それを目の当たりにして凹んでるの?」






< 115 / 458 >

この作品をシェア

pagetop