甘い魔法②―先生とあたしの恋―
聞かれて、ゆっくりと首を振る。
自分でもあまり深く意識した事のない感情を言葉にする事には、少し戸惑うけど……。
でも、それは多分ずっと前からあたしの中にあったモノ。
……潜在的に、ずっと。
「関係もだけど……ハル自身を」
諒子が眉を寄せる。
あたしも小さく表情をしかめながら、心の中に散らばって埋もれている感情を見つけ出すように、ひとつひとつ言葉にする。
「ハルは……あたしが思ってるよりも、ずっと繊細で傷つきやすい。
それだけじゃなくて……あたしが持っていないような、深い感情を持ってる気がする。
それは生い立ちが関係してるのかもしれないけど、あたしには簡単には理解してあげられないような……そんな場所を持ってる気がする」
「……まぁ、繊細そうだけど。うん。絶対に繊細だね」
諒子は、うん、と深く頷いて難しい顔をする。
あたしもコクンと頷いて、話を続けた。