甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「え、なに?」
「だって、守りたい、とか言える立場じゃないのになって思って。
今までハルに頼って守られてきたのはあたしなのに、なんでそんな事思うんだろうなっておかしくなっちゃって」
守りたい、なんて。
ずいぶん自惚れた考えだな、なんて自分でも思っちゃって。
笑みを浮かべながらパックジュースを飲んでいると、黙っていた諒子がぽつりと言う。
「でもさ、ハルくんってどこか一線引いてるじゃん。
誰とでも気軽に話してるけど、でも、なんか距離感保ってる感じ。
だから、最初こそ告白なんかする女子もいたけど、今はみんなそれを感じてか諦めてるじゃん。
……かなりの鈍感を除いて」
除かれたのは馬場先生かな。なんて思うと苦笑いが漏れる。
「人当たりはそこまで悪くないのに、どこか……たまに冷たい感じがするよね。
それが、実姫といる時は柔らかくなるけど」
「確かに、あたしに対して冷たさを感じた事はないんだけど……でもね、他の人にそういう態度取ってるのは度々見るんだ。
秋穂ちゃんへの態度もそうだし、他にも……」