甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「でも、最近は何もなくて落ち着いてるのに、なんでそんなに切羽詰るの?」
自分にだか諒子にだか分からない疑問を口にする。
諒子は少し黙ってたけど……手元のパックジュースのストローをいじりながら、小さく唸った。
「んー……分かんないけどさ。
例えば、今まで我慢してきたモノが限界に近付いたとか」
「我慢してきたモノ? なに?」
ガバっと身体を乗り出したあたしを諒子はじっと見つめて……そして、にこっと笑って耳打ちする。
……あたしの期待とはまったく違う事を。
「ハルくん、欲求不満なんじゃない?」
「……あ、あたし、真剣に聞いてるのにっ!」
「別にふざけた訳じゃなくて。
スキンシップは大事だよ? 実姫が意地ばっかり張って触らせないから、ちょっと不安になっちゃったんじゃないの? って事」
「……」
「例のメール気にして距離をとるのはいいけどさー、ハルくんがすっごく繊細だって分かってるなら、ちゃんとその分フォローしないとじゃん」