甘い魔法②―先生とあたしの恋―


最初こそふざけて聞こえていた諒子の話は、進めば進むほど的を得ている話に変わる。


……そういえば、距離置きたいって言ってから恋人らしい事はしてないどころか、言ってもいない。

あたしが少し距離を置きたいって言った時、先生は明らかに動揺して、それがあたしにも分かったくらいなのに……。

気に留めながらも、言葉にも態度にもしなかった。

先生との関係を守りたいっていう気持ちばっかりで、今、目の前にいる先生を気遣う事を忘れてたのかも……。


「……だけど、あたしの気持ちなんて分かりきってるのに」

「ハルくんの気持ちもね。でも、言われないと不安でしょ? 例えば金曜日みたいな事件があると」

「……」


先生の気持ちを疑ってるわけじゃないけど、確かに馬場先生の態度に不安は覚えてた。

もし、先生が馬場先生の付き添いをしたら……先生を信じてるけど、少し疑ったのかもしれない。

もしかしたら、馬場先生と何かあったんじゃ……なんて。





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