甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「入れよ。なんなら合い鍵作ってやるよ」
「……いらないよ。クローゼット繋がってるんだから」
先生の冗談に笑いながら答える。
「どうぞ。狭いけど、おまえの部屋ほど散らかってないから」
「こないだ掃除したばっかりだからまだキレイだもん」
先生が開けてくれたドアから部屋に入る。
先生があたしの部屋に来る事はしょっちゅうなのに、その逆は未だに慣れなくて。
少しの緊張が襲う。
だけど、部屋の中に広がる先生の香りに、同時に安心も覚えるから不思議だ。
この緊張は、慣れない場所っていうよりも、先生のテリトリーに入り込んだ気分になるからなのかもしれない。
「突っ立ってないで座れば?」
「……うん」
なんで毎日のように話してるのに、こんなに緊張するんだろ。