甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「別にいいけど……どうした? おまえ、なんかおかしいけど」
「おかしくないけど……ちょっと緊張する事を言おうとしてるだけ」
「緊張する事?」
顔をしかめる先生を無視して、あたしは先生に近付いて、先生の背中に遠慮がちに抱きつく。
何度も抱き合った事があるハズなのに、自分から手を伸ばす事がすごく恥ずかしくて手が小さく震えてた。
「市川……?」
座ったまま、先生の背中に抱きついておでこをくっつける。
伝わってくる体温と香りが、あたしの気持ちを昂ぶらせていくみたいだった。
戸惑った声であたしを呼ぶ先生には答えずに、先生のお腹のあたりに回した手にぎゅっと力を込めた。
「やっぱり何かあった……」
「先生……あたし、先生が好き……」
戸惑っていた先生の声が、あたしの言葉を聞いた途端に止む。
静かになった空間に余計恥ずかしくなりながらも、その先を続けた。