甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「一年に何回かって……まぁ、でもいっか。

今までよりは前進だもんな。あとは……」

「……っ、ひゃっ!!」


先生がいきなり仰向けに横になるから、抱き締められたままのあたしはそのまま先生の上に倒れて……。

体重を預けるように上に乗ってしまったあたしは、慌てて身体を起こす。

だけど、先生に掴まれた腕がそれを中途半端に止める。


結局、先生の顔の両脇に腕を付いたまま停止せざるを得なくなったあたしは、近い距離にドキドキしながら先生を見た。

先生を上から見下ろすなんて、まるであたしが先生を押し倒したみたい。


赤くなったあたしに、先生は悪戯に笑う。


「内田から言われたのは、言葉で伝える事と……あと大切なのはなんだっけ?」

「……忘れた」

「嘘つくな。さっき言ったばっかりだし、覚えてるだろ?」


そう言いながらあたしの頬に手を伸ばす先生。


あたしを真っ直ぐに見上げる先生に、反抗の言葉を口にしようとして……。

さっき心に誓った事を思い出す。



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