甘い魔法②―先生とあたしの恋―
いつもたくさんの想いをくれる先生に甘えるだけじゃなくて、あたしも―――……。
初めての試練にしては難しすぎる難関だけど……でもっ!
ぎゅっと唇を結んでから、尚もあたしの頬を撫でてる先生を見つめる。
「ん? 思い出した?」
「……ス、スキンシップ」
「スキンシップ? ……じゃあ、それ、してもらおうかな」
「……っ」
先生はずるいと思う。
本当に今日の今日までずっと余裕なんかなかったハズなのに……。
ここに来てそんな余裕見せるなんて、絶対にずるい。
あたしは、先生が安心していつもみたいに戻れるようにってこんならしくない事してるのにっ……。
それなのに……っ
とっくに余裕を取り戻してる様子の先生は、片手をあたしの腰の辺りに回して引け腰になるあたしを逃がさない。
「ほら、どうした?」
ぐい、と腕を引っ張る先生に、2人の距離が一気に縮まる。
腕を折って肘で身体を支えるしかなくなったあたしと先生の距離は……。
本当に数センチ。