甘い魔法②―先生とあたしの恋―


歓声の沸きあがるグランドに、気持ちよく吹き付ける風。

髪が少し砂埃っぽくなる事以外は、授業を受けるよりも数倍いい。

……あとは、この下腹部の痛みを除けば。


最近は収まっていた頭痛も、生理痛って言葉に便乗して出てきちゃうし。


先生とヨリを戻して、お父さんとの関係も徐々に修復されて。

そのくらいの時期から、頭痛もよくなってきてたのに。


久しぶりのせいか、やけに頭の中で痛みがガンガン響いていて、気持ちが悪い。


「あれ、実姫どしたー?」


小さなため息を吐き出してから、抱えるようにして座って膝に顔を埋める。

と、それを不思議に思ったクラスメートに声をかけられた。


「んー、生理痛っていうか、頭痛がひどくて」

「え、保健室行く?」

「ううん。大丈夫。あたしが出るの終わったしじっとしとく」


そう言ったあたしに、クラスメートの女の子は思いっきり不満そうな表情を浮かべた。



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