甘い魔法②―先生とあたしの恋―
グランドから離れるにつれて、じょじょに生徒達の声が小さくなっていって。
前を歩く坂口先生との沈黙が強調されて、気になり始める。
いつも笑いながら何かを話してるイメージしかなかったから、静かな坂口先生は、なんとなくおかしく感じてしまって。
でも、あたし自身、もともと教師と親しく話したりするタイプじゃないから、友達に話すような内容の話題なんて持ち出せないし。
まして先生の事なんかうかつに話せないし。
そうなると共通の話題なんてなくて。
頭もお腹も痛いことだし、沈黙なんか気にしないでおこうと決めて、坂口先生の後ろを歩いた。
坂口先生の背中は先生よりも広くて……。
でも、先生と同じように少し寂しそうに見えた。