甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「うん。……一応。
でもなんか無駄にお金出させちゃう気がして、なんか、」
「それ、別に無駄じゃないじゃん。実姫はもっとお父さんに甘えるべきだよ。
普段何も甘えてないんだから、金銭面くらい全然いいと思うんだけど。
っていうか、買い物とかに使うんじゃなくて進学のためなんだから当たり前でしょ。
事情があって気を使うのは分かるけど、そこは甘えなくちゃダメだよ」
ビシっと言い切られて、苦笑いをする。
確かにその通りなんだけど。
何の目標もないのに進学する事に、どうしても後ろめたさを感じたりして。
大学に行ってからそれを探すのが普通だって、お父さんにも言われたんだけど……。
今まで、出来るだけ負担をかけないようにってそればっかり考えてきたから。
甘やかされたり、選択肢を与えられたりすると迷う。
もちろん、お父さんがそう言ってくれるなら、甘えたいとも思ってるけど。
去年までは考えられなかったお父さんとの関係の変化が、じわじわと胸の中を嬉しさで埋め始める。