甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「そうだね……。心配? ハルくんが」
「……うん。夏休み中はいつも通りだったけど、やっぱりどこかおかしいように思えるし。
そういうのも近くで見られなくなるって思うと、あたしはハルの不安だとか変化に何も気付かなくなっちゃうんじゃないかって、心配」
ため息混じりに言うと、諒子は少し唸ってから頷く。
「うーん。まぁ、いずれは離れなくちゃだけど、今はハルくんがおかしなだけに気になるよね。
卒業までに落ち着けばいいんだけどね。でも、急ぎたくはないんでしょ?」
あたしの気持ちを分かってくれる諒子に、微笑んで頷く。
色々気になる事はあるけど、それを急いで解決したいとは思わない。
先生の気持ちを分かってあげられない今の状態で何かを話したりしたって、どこかで先生を傷つけちゃうかもしれないし。
先生がなにを不安がっているのかが分からないから。