甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「そんなに心配ならさ、卒業と同時に結婚しちゃえばいいんじゃない?」
「け……っ」
思わず大声を上げそうになると、そんなあたしを見て諒子が笑う。
あたしは、変な目で見られていないか、周りをきょろきょろ見てから諒子を睨んだ。
「そんなの、できるわけないでしょ」
「じゃあ同棲するとか。実姫の志望校、家からじゃ遠くない?
一人暮らしするなら同棲しちゃえばいいんじゃない?」
諒子の提案に、顔が熱くなる。
同棲とか……憧れないわけじゃないけど。
「でも……あたし、料理とかできないし、掃除も苦手だし……」
今までも同棲と似てたけど、でもどこか違うし。
ご飯は出てきたし、一緒に住んではいても、それぞれの部屋があってそれぞれの時間があった。
それが全部一緒の部屋で同じ時間を過ごすってなると……なんか。
だって、お風呂とかだってあるし、洗濯だって一緒だし、それにベッドとか……。