甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「あ、ごめんね、なんか変な事言って。

ハル兄に好かれてるって聞かされたって微妙だよね。ましてや同じ寮に住んでるんだし。

ごめんごめん。でも大丈夫だよ。ハル兄はモテるし、いっくら市川さんの事がお気に入りだとしても、いきなり襲いかかったりしないから」

「あ、いえ……そんな事考えてないから大丈夫です」


坂口先生の的外れな心配に首を振る。

なんだか、鋭いんだか鈍いんだかよく分からない坂口先生。

曖昧に笑っていると、坂口先生は思い出したように続ける。


「そうそう。馬場先生もハル兄が好きみたいだしね。

先週の日曜日、職員で会食したんだけど知ってる? 二学期も頑張りましょう的な意味合いで、ピクニック的な感じで、すぐそこの公園でやったんだけど。

馬場先生、その日都合悪いって言ってたのに結局来たし。

アレ、絶対ハル兄が来るって知ってたから来たんだよ」

「……そうなんですか」



< 175 / 458 >

この作品をシェア

pagetop