甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「あ、ごめんね、なんか変な事言って。
ハル兄に好かれてるって聞かされたって微妙だよね。ましてや同じ寮に住んでるんだし。
ごめんごめん。でも大丈夫だよ。ハル兄はモテるし、いっくら市川さんの事がお気に入りだとしても、いきなり襲いかかったりしないから」
「あ、いえ……そんな事考えてないから大丈夫です」
坂口先生の的外れな心配に首を振る。
なんだか、鋭いんだか鈍いんだかよく分からない坂口先生。
曖昧に笑っていると、坂口先生は思い出したように続ける。
「そうそう。馬場先生もハル兄が好きみたいだしね。
先週の日曜日、職員で会食したんだけど知ってる? 二学期も頑張りましょう的な意味合いで、ピクニック的な感じで、すぐそこの公園でやったんだけど。
馬場先生、その日都合悪いって言ってたのに結局来たし。
アレ、絶対ハル兄が来るって知ってたから来たんだよ」
「……そうなんですか」