甘い魔法②―先生とあたしの恋―

林檎うさぎ



「見て見てー。新しい種類だって、コレ」


翌日の放課後、駅ビルの中の雑貨屋さんで諒子が手に取ったのは、『林檎うさぎ』。

今流行ってるキャラクター。

二頭身の可愛らしいうさぎが、林檎を被ってるデザイン。


林檎の色によって色々とおまじないが違うらしくて、その多彩な種類にも人気の原因があるみたい。


諒子が手に取った青い林檎うさぎに目を向ける。

チェーンの部分には、『安定した恋』と掘ってある小さな金属プレートがくっついていた。


「なに、それ。持ってると『安定した恋』が手に入るの?」

「そうなんじゃない? あ、実姫、コレよくない?」


諒子が指先で示したのは、黄緑色の林檎うさぎ。

プレートの文字は……。


「『守りたい恋』……」

「実姫にぴったりじゃない? 可愛いし一緒に買おうよ」

「諒子は何色買うの?」


あたしの問いに、諒子はにんまり笑う。

そして、黄色い林檎うさぎを指先でぷらぷら揺らした。



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