甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「『幸せな恋』」
「『幸せな恋』ってずるくない?
最終的に望むのってそれじゃん」
「じゃあ実姫もこれにする?
一番人気だからラスト3個だよ」
諒子が黄色の林檎うさぎをふたつ手に取って、ひとつを差し出す。
あたしは、右手に持っていた黄緑色のを元の位置に戻そうとして……その手を止めた。
『幸せな恋』
『情熱的な恋』『運命的な恋』『穏やかな恋』『続く恋』
色々と種類はあるけど、最終的に望むのは誰だって、『幸せな恋』に決まってる。
あたしだってそうだし。
……―――なのに。
右手に持った黄緑色の林檎うさぎが、あたしの手から離れようとしない。
『守りたい恋』
そんなおまじないのかかったストラップが。