甘い魔法②―先生とあたしの恋―


別に、こんなお守りみたいのを本気で頼りにしてる訳じゃないし、
500円で買えちゃうようなストラップに願いを託したりなんかしないのに。


他の色に比べて数だってあまっちゃってるし、大体、『守りたい』とか保守的すぎる。


なのになんで―――……。


「実姫?」

「……やっぱりこっちにする。

なんか目の位置がツボみたい」


やけに愛らしく見えるうさぎに、呆れ笑いする。

そして、黄色い林檎うさぎを元の位置に戻した。


幸せな恋に招いてくれるハズの、ラスト3個の貴重な黄色林檎うさぎを。


「あー、顔つきって大事だよね。

目と口のバランスは絶対領域があるよねー」


残ってる3個の林檎うさぎの顔を見比べる諒子の隣で、あたしは黄緑色の不人気なうさぎを眺める。


青リンゴみたいな色の林檎を被った、白いうさぎ。

微かに微笑むうさぎを見て、もう一度笑った。





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