甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「まー、いっか」
先生といられれば、あたしはいつだって幸せだから。
その先生との恋を守ってくれるなら。
あたしと一緒に頑張ってくれるなら……。
たった500円のお守り代わりのストラップが、やけに頼りになる存在に見えた。
「っていうか、実姫は本当のお守り買った方がよかったんじゃない?」
「……」
帰り道に言われた笑えない言葉。
返事をしないでいると、諒子があたしの腕をぐいっと掴む。
そして、耳打ちするように小声で言う。
「今もどっかから見られてたりして」
「まさか……」
とは言ったものの、急に不安になったあたしはキョロキョロと視線を泳がせた。
周りは学校帰りの学生ばかり。
一応怪しい人物を探してみるものの……。
相手がどんな人かも分かっていないだけに、それは無駄な作業に終わる。