甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「大丈夫だよ。今見られてたって何にも問題ないし。
ハルくんと一緒じゃないなら問題ないでしょ」
「あ、そっか」
安心して胸を撫で下ろしていると、諒子は難しい顔をあたしに向けた。
「でもさー、あれっきりなんでしょ? 意味分かんないよね。
でも内容が内容だけに、ただのイタズラじゃなさそうだし」
「うん……」
さっき撫で下ろした胸が、また正体不明の不安でざわめき出す。
向こうがどんなつもりか分からないだけに、落ち着かない。
エスカレーターを下って外に出ると、電車が到着したばかりなのか、たくさんの人だかりが視界に入り込んできた。
「ねぇ、もうこの際返信してみるとかどう?」
「えっ、なんて?」
「誰だか知らないけど、陰険な事やってないで正面切って戦えって」
「……それで本当に出てきちゃっても困るんだけど」
あまりに大胆な作戦内容を提案されて驚きながら答えると、諒子はまた唸る。