甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「でも、馬場先生はこんな事できないかな……」
「うーん……あんな態度出ちゃう人だしね。
でも……可能性、なくはないよね。飲み会とかの時、ハルくんのケータイから実姫のアドレスも盗めなくもないし。
……そう、それだよね。一番の問題は。
実姫のアドレスを知ってるっていうのも、おかしいんだよね」
諒子と一緒に頭を限界まで動かしたけど、結局有力な候補は上がらなかった。
諒子は未だに秋穂ちゃんを疑ってるけど……。
でも、アドレスを盗み見できるタイミングがないのは、結構決定打だし。
そうなると一番怪しいのは……馬場先生だけど。
だけどなー……。
絶対、くらいに違う候補名。
考える事も疲れたあたしは、重い足取りで寮に向かう。
諒子と別れて、ぐるぐるしたままの頭を抱えながら寮の鍵を開けようとした時。
既に開いている鍵に気付いた。