甘い魔法②―先生とあたしの恋―
『守りたい恋』
カチャリと開いたドアに少し怯えながら中に入ると……。
不機嫌そうな先生があたしを迎え入れた。
まだ先生が帰っていないと思ってたあたしは、慌てて時計に視線を移す。
18時35分。
門限がある訳じゃないし、あったとしてもこの時間なら余裕でセーフなハズ。
……普段なら。
食堂のいつもの椅子に腰掛けて足を組んでいる先生。
そろそろと近付いて、素直に謝る。
「……ごめんなさい」
「……」
「あの、諒子と駅前で買い物してただけで……全然危ないところには行ってないよ?
帰り道だってまだ明るかったし、人通りの多いところを選んで帰ってきたから……」
「……」
「……先生、怒ってる?」
先生の前に立ちながら、反応を見せない先生に首を傾げる。
まるで学校でお説教されてるみたいな光景で、少しおかしくもなるけど……。
ここは笑ってる場合じゃない。