甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「先生」
「ん?」
「心配してくれてありがとう」
階段途中で立ち止まって、振り返る。
先生より一段上にいたあたしは、同じ目線になってる先生に微笑んでから、触れるだけのキスをした。
胸の中を覆う不安をかき消したくて。
そのキスに「ありがとう」と「ごめんなさい」の意味があると思った先生は、あたしに優しく微笑む。
先生とのキスに、
先生の笑顔に、取り除けると思った不安は……。
こんなに先生の近くにいる今でさえ、気持ちの中から消えようとはしなかった。
『守りたい恋』
それを考える度に、誰だか分からない犯人があたしの不安を煽る。