甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「まー、いいや。
おまえにしか見せない顔だし」
不意に向けられた笑みと、優しい声に乗せられた甘い言葉。
今まではしゃいでいた胸が、先生の言葉と笑顔に一気に締め付けられてしまって……。
をキュッと結んで、先生から目を逸らした。
「市川?」
「……なに?」
あたしの急変した態度を不思議に思って呼びかける先生にも、視線を返せない。
ドキドキしてる胸を隠したいのに。
先生が見つめてくるから、顔はどんどん熱くなっていって……それを先生が気付かないハズがなくて。
「なんか顔が赤いんだけど」
「……熱いからじゃない?」
「熱いか? もう秋だろ」
「でも熱いの」
「じゃあ脱げば?」
「ぬ、脱げばって……っ」
慌てて顔を上げると、先生の楽しそうな笑顔が視界に入った。
クック、と喉で笑われて、あたしはからかわれてる事に気付いてまた顔を赤くする。