甘い魔法②―先生とあたしの恋―
以前の教頭の差別発言が蘇ってきて、面白くない気持ちになる。
今は校長の下で大人しく働いてるけど……どうしても、顔を見る度に先生への暴言の数々が思い出されて、いい気分じゃない。
不貞腐れて言うと、先生はなぜか笑い出す。
「『好きだけど』ってそんな顔して言われてもな。
……漢字、どうする?」
笑みを含んだまま聞かれて。
改名の話題がまだ続いてた事に戸惑いながらも頭を働かせる。
ハルキ……
ハルキ……
「……刃流機」
「……ちょっと待て。なんかすっげぇ凶暴そうな機械にしか聞こえねぇんだけど」
「じゃあ、春来」
「すっげぇめでたそうな名前だな、それ。却下」
「あ、春姫!」
「……『実姫』と『姫』がおそろいって事で、そんなナイスアイデア的な顔してんのか? 却下」