甘い魔法②―先生とあたしの恋―
どうやったって、先生と距離を置かなくちゃいけなくなる。
今までみたいな生活は、送れなくなる。
……それだけじゃない。
最悪のケースだって―――……。
「もう、別れるって言わないって約束したの。
絶対に言わないって……。
だから、そんな状況には持っていきたくない。
あたしからそこに近付きたくない……」
少しだけ熱くなった瞼。
それに気付いたのか、諒子はそれ以上何も言わなかった。
こんなメールが何件きたところで、なんでもない。
事実を知っている誰かがいるって事は十分脅威に感じるけど……脅迫されてるわけじゃない。
別れを強要されてるわけじゃない。
もしも、ただ怖がらせて楽しんでいるだけなら、そのうち飽きるかもしれない。
……そんな可能性が低いのも分かってるけど。
だけど……今は大人しく耐えるしか、あたしには方法が見つからない。