甘い魔法②―先生とあたしの恋―
なんで余裕をなくしてるの?
何がきっかけで?
それは、あたしには言えない事?
聞きたい事はたくさんあるのに。
それを聞く事で、先生を追い詰めてあたしから遠ざけそうで……怖くて聞けない。
いつか、先生から歩み寄って心を開いてくれるって信じてるけど……。
そんな日は本当に来るのかな。
最近の先生を見てると、信じてた未来に陰りが差す。
あたしに出来る事はないの?
頼ってくれないの?
不満が浮かび上がる心にため息を落として、机の上に顔をつけた。
「本当……、ハルのバカ」
「言ってやればいいのに」
「……言えたらいいのに」
漏らした本音に、諒子が優しくも困り顔で微笑んだ。