甘い魔法②―先生とあたしの恋―
先生の事を待とうって思ってるのに、その気持ちがひどく急かされる。
それはやっぱり、このメールを送りつけてくる犯人のせいなのかな。
このままイライラを抱えたままじゃ、先生を傷つける事を口走っちゃいそうで怖いのに……。
どうすればこのイライラから解放されるのかが分からなくて、余計に気持ちが焦って。
考えれば考えるほど、その繰り返し。
そんなあたしの気持ちが届いたかのように、その日の朝、お父さんから電話が入った。
『今日は早く帰れそうなんだ。
……実姫、たまには帰ってこないか? 学校での事も聞きたいし』
先生の傍を離れるのは少し不安だったけど、お父さんからの誘いは嬉しかったし素直に頷いた。
それに対して、先生は微笑んだだけだった。
『そっか……よかったな』って。
……寂しさを含んだ瞳で。
そんな先生に、踏み込んでいきたくなる言葉を呑んで、あたしも笑顔を返した。