甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「どうだ? 学校は」
かなり久し振りの家での夕食。
お父さんと2人で囲む食卓は、ちょっと気まずい思いもあるけど。
だけど、そこは、年頃なら仕方ないのかな。
食卓の上に並ぶのは、お父さんが出前でとったお蕎麦と天ぷら。
もしかしてあたしが作らなくちゃダメなのかな……とか不安に思ってたから、ちょっと安心した。
「別に普通だよ。3年になったから、進路関係がうるさいけど……。
こないだもちょっと話したけど、希望校絞って、指定校推薦の枠を狙ってる」
「そうか。まぁ、実姫は努力家だしな。
今までの成績からいけば問題ないって三者面談でも言っていたし……結局、どっちの学校にしたんだ?」
そこからは希望校の学校名を上げて、レベルも説明する。
っていっても、あたしが上げた大学はどこも公立で、名前もレベルもこの辺りでは知れ渡っているような場所。
特に詳しい説明は必要なかった。