甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「別に、あたしの事なら気にしないで大丈夫だから。
お母さんに帰ってきて欲しいって思わないなら……、もう頑張らなくてもいいよ。
仕事も忙しいのにお母さんの所まで通ったりして、大変じゃん」
お父さんはびっくりした顔をした後、ゆっくりと首を横に振った。
「帰ってきて欲しいに決まってる」
「だけど……」
「いつか、またこの家で3人で暮らしたい。
もちろん、実姫やお母さんが望んでくれればだけど」
「だけど、こんな生活ずっと繰り返してたらお父さん身体壊しちゃうよ。
お母さんに戻ってきて欲しいなら、お母さんに直接そう頼んで帰ってきてもらうとか……」
「実姫」
お父さんに止められて、渋々黙る。
大丈夫だって感じの言葉が返ってくるんだろうな、なんて思っていたけど、お父さんが言ったのは違う事だった。