甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「……本当に買ってきてくれたの?」

「おまえが買って来いっつったんだろ?」

「そうだけど……」


片眉を上げて、何か問題でもあるかって目で見る先生。

戸惑いながらも首を振った。


先生はどっちかっていうと、元からあたしに甘いと思ってたけど……。

それが、最近増してる気がする。


心配症の度合いも、こういう気遣いも。

言葉とは裏腹にあたしを甘やかしていて、それに少し戸惑う。


何気なく言った言葉さえも逃さない先生に、なぜだか無性に胸が苦しくなった。


先生は、どれだけ気を張り詰めて毎日を過ごしてるんだろう。


それとも、あたしといる時だけそんなに不安を感じるの?

あたしが気を使わせてるの?


「つぅか、微妙に雨降ってたな。濡れなかったか?」


チョコの箱を握り締めながら気分を落ち込ませていると、先生が聞いた。






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