甘い魔法②―先生とあたしの恋―


「ううん。あたしが帰ってきた時には降ってなかったから。

濡れちゃった?

お風呂入って温まった方がいいよ」

「ああ、そうするかな。

おまえも部屋戻っとけよ」

「うん」


先生に続いて、ギシギシ煩い階段を上る。

見上げると、先生の髪に細かい雫が見えて、胸の奥がキュッと締め付けられた。


なぜだか抱き締めたくなる背中。

唇を噛んで手の中のチョコに視線を落とした。



部屋に戻ると、時計は22時を回ったところだった。

それを確認してから、あたしもお風呂を済ませてドライヤーで髪を乾かす。


常温のまま置いてある500ミリのお茶のペットボトル。

それを飲んでからベッドに座ると、テーブルに置いてあるチョコに視線が止まる。


先生が選んでくれた、スタンダードなミルクチョコ。

いちご、パイナップル、バナナ、アーモンドの4種類が4粒ずつ入ってる定番。



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