甘い魔法②―先生とあたしの恋―
先生のコトバ
「先生、チョコ嫌い?」
仕切り板の上に乗ったまま聞くと、先生は優しく微笑んだ。
そして、あたしに手を差し出す。
「気をつけろよ。デカいこぶ作って学校なんか行ったら笑われ者だろ」
「……もう遅いよ、それ」
苦笑いを零しながら先生の手を取って無事に着地する。
上る時よりも下りる時の方が大変な事に気付いたけど、先生の手を借りたおかげでスムーズだった。
……帰りが怖いけど。
部屋に入ると、先生の服が変わってる事に気付く。
さっき履いていたジャージとは違って、少しボロボロ感のある白いジャージ。
上は黒いTシャツだけど、それも古着みたいに見える。
「……先生、それパジャマ?」
「あ? ああ。おまえコレ見るの初めて?」
「うん。先生がお風呂済ませてから会うのって初めてだし」
「あー……そういや、そうか」
「うん」