甘い魔法②―先生とあたしの恋―
なんだか新鮮に見えて、思わず目が釘付けになる。
先生はだらしない着こなしをしていても、いつもきちんとした物を着ていたから、
こんな風に本当の部屋着みたいな姿を見るのは初めてで。
新鮮だし……、なんだか嬉しい。
じっと見すぎたのか、先生はあたしに不機嫌な表情を見せる。
「……なんだよ。気に入らねぇ? だってもう寝るだけだし、おまえが来るなんて思わなかったし」
「え、あ、違うよ。……なんか、先生の素の部分を見られた気がして嬉しかっただけ」
最近、先生を可愛いって思う頻度が増えた気がする。
今までは好きだとかカッコいいとかは思っても、可愛いって感情はそれほど湧いてこなかったのに。
最近は、なんでだか可愛く感じる。
だけど、それは、先生がそれだけ不機嫌な表情をあたしに見せる機会が増えたって事。
それだけ……、不安だとか不満を感じてるって事。
心を許し始めてくれた事でもあるのかもしれないけど。