甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「……なんて。あんましつこくしても嫌われるか……」
「……―――」
そう言った先生は、確かに笑みを浮かべてるのに。
そのつらそうな微笑みが、あたしの心臓を掴んだみたいに息苦しくさせる。
苦しくて仕方なくなって、先生に手を伸ばした。
そして、先生のTシャツを握り締めながら先生を見つめる。
「市川?」
「嫌いになんかなんないよっ……?」
「……」
「なんで……? なんで、あたしが先生を嫌うの?
そんな事、できるハズないのに……」
どうやったって、先生を嫌いになる事なんて出来ない。
それは、あたしが一番よく分かってる。
先生だって、信じてくれてるって思ってたのに。
そんなに軽い気持ちだって思われてたのかと思うと少しだけショックで、訂正したくて……。
あたしは、先生と視線を合わせたまま、溢れそうなほどの気持ちを言葉にした。