甘い魔法②―先生とあたしの恋―
朝のHR前の教室。
ざわざわとする中、一通りのいきさつを説明すると、諒子が驚いた様子であたしを見てきた。
興味で満ち溢れている諒子の瞳が目の前で光ってる。
少し恥ずかしくなりながら苦笑いを浮かべた。
「心境の変化があってって訳じゃないけど……なんとなく。
どうせ関係はバレてるんだし、バレてて行動起こさないって事は、バラすつもりはないんだろうなって思ったら……なんか」
「まぁ……そりゃそうだけど。でもなんで黙ってるんだろ」
「ハルが大事だからじゃない?
なんか『傷つけないで』とか言ってるし」
「ってなると、やっぱり女?
誰か知らないの? ハルくんが超好きで好きで堪らない女」
「……さぁ」
施設にいた頃は淡白だったらしいし、出会ってからは、そんな影ないし……。
馬場先生と秋穂ちゃんくらいしか思い当たらない。
生徒にも何度か告白されてるけど、でも執着するほどの気持ちではない気がするし……。