甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「―――嫌なんだよ。
市川が俺以外の男と秘密を持ったり……、仲良くなったりするのが。
ガキだと思うかもしれないけど、でも、どうしても嫌で耐えられない……。
そんな事思う自分がおかしいって分かってんのに、止められない―――……」
先生が、目を伏せたまま言う。
あたしの手を掴んだままの先生の手が、小さく震えている気がした。
「先生……」
目の奥が熱を帯びるのを感じながら、先生の頬に震える手を伸ばす。
あたしの手が触れると、先生は少ししてからゆっくりとあたしと視線を合わせる。
交わされた視線に、涙が浮かぶ。
「そんなの……、あたしだって嫌だよ?
先生が、馬場先生のお弁当食べたとか聞いただけで、すごく嫌だよ……?
それに、生徒に人気があるのだって……嫌だもん。
先生だけじゃないよ。あたしも一緒だよ……?」