甘い魔法②―先生とあたしの恋―

「……別にそれを行動に起こさないなら迷惑でもないだろ。

すぐに忘れられるモンでもないだろうし」

「いや、結構行動に表しちゃう感じで」

「……」


澤田の言葉に、ある特定の生徒が頭に浮かぶ。

澤田が言ってるのは、多分……。


「……岡田の事か？」

「あ、やっぱり気付いてたんだ」

「こないだ、たまたま市川と廊下にいた時、岡田が話しかけて宣言してたから。

『諦めません』的な事」

「マジで？　あー……それ絶対迷惑だし。

本当しょうがねぇな、ハルちゃんは」

「……ハルちゃん？」

「ああ、岡田の事。春一って名前だから。

女子からはハルちゃんとか呼ばれてんだよ。

あー……どうしよう」


まるで自分の事のように頭を抱える澤田。


同じ呼び名が気になりつつも、色々と悟られないように落ち着いて聞く。