甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「分かってる。……本当にごめんな」
笑みを作りながらも、申し訳なさから目を細めると、市川はそんな俺をじっと見て少しだけ口を開く。
「……」
でも、何も言わずに、悲しそうにも見える表情を浮かべながら唇を噛み締めた。
そして、すぐに笑顔を作る。
「ううん。……でも、先生」
「……ん?」
「先生も、何か不安に思う事があったら教えてね」
微笑みを浮かべながら俺を見上げる市川に、胸が痛むのを感じながらも笑顔で頷いた。
その後、さっきの市川の行動を思い出して首を傾げる。
「そういえば、さっき何か別の事言おうとしてなかったか? 俺が帰って来てすぐに」
「あ、うん。
あのね、2月って3年は基本自由登校でしょ?
その間、諒子の家にみんなで集まって泊まったりしようかなって話してるんだ。
あと、実家にも帰ろうかなって。どう思う?」
「2月って、随分先の話だな」