甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「だって……、なんかそんなに長いと不安かなって思って。
……先生、最近おかしいし」
ぽつりと付け加えられた言葉に動揺する。
自分がここ数ヶ月おかしいって事は気付いてたから、余計に緊張が浮かんだ。
それを、市川にも気付かれてたんだと思うと……。
今日の朝の事を言ってるのか……。
それとも、もっと前から気付いてたのか―――……。
そんな疑問を感じながらも、笑顔を作る。
「ちょっと仕事で疲れてるだけだから心配すんな。
瞬とか入ってきて、余計に忙しくなった感じなだけだから」
「……ふぅん」
「とにかく、大丈夫だから市川の思うようにしろよ。
……つぅか、俺もう大人だし、それくらい放っとかれたって問題ある訳ねぇだろ」
市川を安心させようと、わざと強がって言ったのに。
市川にはまるっきり嘘にでも聞こえたみたいだった。
勘ぐるような楽しそうな視線が、俺を捕らえてる。