甘い魔法②―先生とあたしの恋―
「今日だけね。いいよ。
でも、吉岡さんがあたしに攻め込んでくるような事にはならないよね?」
「それはもうっ! 実姫には迷惑かけないから。
……俺が行く事でちょっとかけちゃうだけ」
「部活終わったら避難させてもらうな」なんて言いながら、和馬は自分の教室へと戻る。
その姿を見ていた諒子が、呆れた様子で言う。
「吉岡……そこまで嫉妬深かったのか」
「ずっと長い間片思いしてたしね……。まぁ、和馬と吉岡さんの問題だし。
……でもすごいけど。あたしもやきもち焼く方だけど、さすがに親戚には焼かないなー」
「でもさ、嫉妬深くても、それをちゃんと相手に伝えられるなら問題ない気がしない?」
諒子の言葉に、くわえていたストローを離す。
そして、手の中で水滴を落とすカフェオレのパックを机に置いた。
「……それは、ハルの事言ってる?」