甘い魔法②―先生とあたしの恋―
正しい答え
「……実姫、ごめん」
あらかじめ、部室を出る時に電話をくれた和馬が、ドアを開けるなり謝った。
しゅんと肩を落としている和馬に、あたしは呆れて笑う。
「もう十分謝ってもらったしいいよ。
そんなに何度も謝られるような事でもないし」
「いや……、違くてさ」
歯切れの悪い和馬が、苦笑いを零しながらあたしから目を逸らす。
苦笑いにしては、笑えていない和馬を不思議に思っていると……その原因が、和馬の横から顔を出した。
「こんばんは、市川先輩」
「おか……っ、……和馬、どういう事?」
岡田くんの姿に、視線を和馬に戻す。
和馬は頭を下げてその上で両手を合わせながら、あたしにその事情を説明する。
「こいつ、よくサッカー部の練習にきてて……。
その、たまに助っ人として助けてもらってるんだけど……。
今日、実姫んとこ来るのたまたまこいつに聞かれて、で……一緒に来たいって頼まれて。
つぅか、断ったのに勝手に着いてきちゃって……ごめんっ!!」